いま、ごろ。名前はチャンミンに。
抱かれているの・・・だろう。
何度も抱いた体が、肌が、その温もりがよみがえる。もう二度と。
この手に抱くことはできないのか。
飲めもしない酒を、飲んで。
でも、仕事だけは放置できない。次の仕事の段取りを、覚えながら。
名前を呼んだ瞬間を、思い出していた。
あの、とき。昔に戻ったような気がした。
俺を好きだといった名前の、目を、記憶を見た気がした。
なかなか好きとは、言ってくれなかった。自分の気持ちが、分からないと。
記憶を失ってからのお前は、そんなに易々と誰かを、愛したのか。
そばにいるだけで、恋人だと認めるほど。
ああ・・・ダメだ。思い出せば思い出すほど。
恨みたく、なってしまう。その心変わりを。
・・・いや、最初から、名前の中に俺は、いなかった。いなかったのだから。
名前は、俺を裏切ってはいない。
俺が、もう一度。
名前に、恋をしてもらう必要が、ある。
たとえチャンミンを傷つけることに、なっても。
正々堂々と、名前に、向き合って。
・・・神様。俺の望みは。
罪深い望み・・・でしょうか。