もしユノより一分でも一秒でも早く出会っていたら、お前は俺を好きになったのか。それとも、お前がユノの恋人じゃなかったとしたら、俺はお前を好きになっただろうか。
今更、そんなことどうでもいい。好きになってしまったら言い訳も何もできない。
無理やり抱くのは、好きじゃない。でも、そうでもしなければ、俺は。
お前を問い詰めてしまいそうだった。
いつまで猿芝居を続ける気だ? もう全部思い出してるんだろう? もうあいつに抱かれたんだろう?
俺とどっちが良かった、あいつだと言うなら、俺の方がいいと言うまで犯してやる。
そんな、ふうに。
最低な言葉で罵りそうだった。胸に吸い付きながら腰を動かす。
・・・ふと。
その白い肌の、胸元。目をこらして見なければ気付かないほど、うっすらと。
気のせいだといわれたらそれまでだ。この色は内出血がひいたあとの。
かすかな、黄色。
頭に血が昇った。声を押し殺す名前をじっと見つめる。
「・・・誰と寝た?」
「え?」
その痕を、指でなぞる。名前は表情を強張らせて。
「言えよ」
逆に硬く口を結ぶその姿を、見て。
また、腰を動かしながら。
その痕に吸い付く。