どうして、そんなに。
私を知っているの?
自分でも気付かなかったほどかすかな痕。あなたが言うとおり、それは。
私があなたを裏切った痕。最愛の人がつけた愛の名残。
痛いほど強く吸われ、いやでも体はその動きに乱れる。今までになく激しく突き動かされて。
俺を好きだと言えと、責められる。
もう演技でさえも、言えなくなっていた。彼はもう気付いている。
私がその記憶を取り戻したことを、それでもなお忘れた振りをして抱かれていることを。
自分自身、この気持ちが情なのか情けなのか分からなくなっていた。
突っぱねればいい。もう、私の記憶は戻っている。
記憶を失っていた私を守ってくれたことに心から感謝し、あなたを受け入れたことを、謝罪しながら。
「好き、だった、わ」
抱かれながら、つぶやく。チャンミンさんは動きを止めて私を見つめる。
「気付いて、いるんでしょう? ・・・もう」
「言うな」
火のように激しい、目で。
私を射抜く。
「何も聞きたくない」
言葉を繋ごうとした、その口はあなたの舌に侵食されて。
きつく抱きしめられながら、あなたは私の中で達する。